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理事長 挨拶

変革の21世紀に入り既に18年目、多くの壁にぶつかりながら遺伝子細胞治療はようやく光が差してきました。AI(人工頭脳)の進化はすさまじい速度で進み、遺伝子解析、ゲノム編集(細胞の中のゲノム=遺伝子を正しいものに治す技術)はビックデータの処理能力アップで現実のものになって来ています。

2003年当時遺伝子解析は、一人の解析に10年、3,000億円かかると言われていました。それが現在1日で出来、金額も数千円から1万円で出来るようになりました。

ゲノム編集によって遺伝病筋ジストロフィーや癌の根治も視野に入って来ています。どの遺伝子がおかしくなるとその癌になると言う事は、大体解かって来ています。実際にゲノム編集が使えるようになる2~3年後を含めて5年ぐらいで、その遺伝子を組み換えることによって癌を特異的に治すことが出来るようになると思います。

しかし、我々一般人には遺伝子工学、分子細胞生物学、分子医学、分子遺伝学を理解することは困難な事であり、また核酸(DNAとRNA)、転写、染色体、ミトコンドリア、ベクター(レトロウィルス、アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス、レンチウィルス、ヘルペスウィルス、フォーミーウィルス等)による遺伝子導入というような難解な用語が飛びっかっています。

我々NPO法人は、日本、アジア・パシフィック、アメリカの研究者たちと協力しながら、少しでも多くの一般の方に遺伝子細胞治療について理解して頂けるように、秒進分歩解明される最新の治療情報を分かり易く発信して行きたいと考え設立されました。

遺伝子細胞治療は、難病で苦しむ多くの患者さんへ希望を与えてくれる治療法であり、ここ数年のうちに高度な治療法として現実化、疾患に悩む多くの患者さんの前途に光明を見いだすことの一助なると確信しています。

2018年1月
特定非営利活動法人(NPO)
アジア太平洋遺伝子細胞治療コンソーシアム
理事長 高橋 雅夫

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